Archive for the ‘債務整理のコラム’ Category

破産と相続

2016年09月26日

破産を検討しているうちに,お身内の方がお亡くなりになった場合,相続が発生する場合があります。この場合,破産申立前にとるべき手続を誤ってしまうと,大変やっかいなことになります。

例えば,お亡くなりになった方が土地建物しか有しておらず,他のご兄弟などがその家に同居して亡くなった方の面倒を見ていた場合,同居していたご兄弟に土地建物を相続させたいということもあると思います。この場合,遺産分割未了のまま破産手続をとってしまうと,破産手続において,相続するつもりがなくても法定相続分を財産とみなされてしまい,換価が必要になることがあります。

また,相続するつもりがないからといって,自己の相続分をゼロとする遺産分割をしてしまうと,債権者から遺産分割を取り消されてしまい,結局,法定相続分を財産とみなされることになりかねません。

相続をするつもりがなければ,面倒でも,家庭裁判所に相続放棄の申立てをおこなってください。相続放棄であれば,債権者は取り消すことができませんし,法定相続分が財産とみなされることはありません。

破産をご検討であれば,どこに落とし穴が潜んでいるかわかりませんので,必ず事前に弁護士相談されることをお勧めいたします。  

破産とは

2016年05月18日

破産とは,裁判所へ申立てを行って,借金の支払いを免除してもらう手続です。借金の支払いを免除してもらうことを,「免責」と言います。

破産のメリットは,何と言っても,借金の支払いがゼロになることです。きちんと手続を行い,裁判所から免責の決定が出れば,債権者の反対があったとしても,借金を支払う必要はなくなります。

破産のデメリットですが,一定額以上の財産をお持ちの場合,その財産を処分する必要が出てくることです。 よく問題となるのは,退職金の見積額,生命保険や学資保険などの解約返戻金見積額,登録から5年以内の自動車,不動産などです。 特に,住宅は,売却しても買い手がつかない物を除き,手放すことになります。 住宅を維持したい場合には,任意整理個人再生を検討する必要があります。

お持ちの財産が一定額以下の場合には,破産手続の中でも同時廃止という手続になることが多いです。 同時廃止手続は,財産を処分する必要がないため,比較的簡単な手続で終了します。

お持ちの財産が一定額以上の場合,財産を処分するために,裁判所から「破産管財人」という者が選任される管財手続となります。この場合には,裁判所へ納める予納金が高額となりますので,詳しくは弁護士にご相談ください。弁護士費用はこちらのページをご覧下さい。

過払金の最新判例

2016年01月28日

消費者金融等と長年お取引をしている方の中には,一度全額を返済したが,数年後にまた借り始めたという方が多くいらっしゃいます。

昔の消費者金融等のような高い金利で貸し借りを続けていると,過払金が生じることがあることは皆様もご存じだと思いますが,取引の中断期間がある場合,中断期間も含めて一連で計算するか,中断前と中断後で分けて計算するかによって,結果が大きく変わります。

一連で計算すれば過払金が生じる場合であっても,中断の前後に分けて計算すると,中断前の取引について過払金が生じていても消滅時効が成立してしまう上に中断後の取引で借入金が残ってしまう場合があります。

そして,一連で計算するか分けて計算するかは諸処の事情を考慮して裁判所が決定します。

今回ご紹介する最高裁の事例は,一連計算が否定された結果,中断前の取引については過払金が生じていたものの消滅時効が完成し,中断後の取引では借入金が残ってしまったというものです。

この事例について,東京高裁は,中断前の過払金は時効で消滅しているのでこれを返してもらうことはできず,中断後の取引で残った借入金は全額支払う義務があると判断しました。

一般的な感覚では,過払金は返ってこないのに借金は全額払わされるというのは不公平なように思われます。せめて,残った借金と過払金を相殺したいと考えるのが人情ではないでしょうか。

この点につき,最高裁は,残った借金と時効で消滅した過払金とは相殺できると判断しました。正確に言うと,訴訟において過払金が時効により消滅したと判断されることを条件に,相殺の主張をすることは許されるというものです(最高裁平成27年12月14日判決)。

貸金業者と高い金利で長年お取引をされている方で,途中に中断期間がある場合,裁判所で一連計算をしてもらうのが一番ですが,それが否定されても相殺が可能な場合がございますので,弁護士にご相談下さい。

過払金についての新しい最高裁判決

2015年09月16日

昨日,過払金についての新しい最高裁判決が出ました。

内容としては,利息制限法に基づけば本来なら過払金が発生していたにもかかわらず,特定調停手続で利息制限法に基づかない調停をしてしまったために,もはや過払金が請求できないのではないかとの点が争われたものです。

この事例は,利息制限法に基づけばすでに返済義務はなく,むしろ234万9614円の返還を請求できたのに,特定調停をしてしまったために44万4467円の支払義務を認めてしまったというものでした。

最高裁は,特定調停では借金の返済方法についての調停しか求めておらず,過払金については調停をしたとは言えないから,「何らの債権債務のないことを相互に確認する」との調停がなされたとしても過払金は消滅しないと判断しました。  

過去に消費者金融と取引があった方は,今は取引をしていないとしても過払金が生じている可能性がありますので,一度,弁護士相談されることをお勧めいたします。

破産と賃貸借契約

2015年03月27日

破産をした場合に,借りているアパート等を追い出されるのではないかとご心配される方もいらっしゃるかと思います。

昔の民法では,アパート等を借りている人が破産宣告を受けたときには,賃貸人が解約の申し入れができるとの規定がありましたが,現在の民法ではこのような規定はございませんので,ご心配には及びません。

しかし,アパート等を借りるときの賃貸約契約書に,破産強制執行の決定を受けたときには賃貸人が一方的に契約を解除できるとの条項が記載されている場合があります。 契約書にこのような条項がある場合,破産決定があれば住んでいる人は出て行かなければならないのでしょうか。

大阪高裁平成25年10月17日判決は,契約書にこのような条項があったとしても,破産決定等によりただちに信頼関係が破壊されているとは言えないので,そのような条項は無効だと判断しました。

そして,この判決については最高裁に上告されたようですが,平成27年3月3日に上告が却下ないし不受理とされたようで,無効だという判断は変わりませんでした。

したがいまして,契約書に上記のような条項があったとしても,賃料が実際に不払いとなっていない限りは,破産したとの理由だけでは契約を解除できないことになりますので,ご安心下さい。

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