Archive for the ‘交通事故のコラム’ Category

交通事故の被害者が、受領済みの保険金の返金を求められた事例

2017年06月13日

弁護士の多くは,依頼を受けるときには楽観的な見通しのみを伝えて契約を取りがちですが,私は依頼者をだますような手法をどうしても取れないため,良薬は口に苦しということわざのとおり,初めにリスクも説明いたします。

今回ご紹介する事例は,自転車で走行中に自動車からぶつけられ,6か月間通院していた被害者が,加害者側保険会社からすでに受領していた保険金の返還を求められたというものです。

広島地裁平成29年2月28日判決は,治療が必要だったのは交通事故から2週間程度のみであり,その後は治療の必要がなかったので,3週目以降の治療費通院慰謝料を認めず,むしろ,受領済みの保険金の返還を命じました。

この事例は,被害者が事故の翌日から軟式野球の試合に積極的に打ち込んでいたという特殊なものですが,このように,医師等に申告していた症状と矛盾する行動をとっていたことが後に判明した場合には,受領済みの保険金の返還を求められることもありますので,そのようなリスクを負わないよう,交通事故に遭った場合には早めに弁護士相談されることをお勧めいたします。

交通事故賠償額増額の実例

2017年03月16日

今回は,当事務所にご依頼いただいた交通事故事件で,弁護士が介入したことにより賠償額増額された実例をご紹介したいと思います。

事案としては,被害者側が自転車加害者側が自動車の衝突事故で,被害者が後遺症の残る重傷を負ったというものです。

保険会社の1回目の提示額は,422万円強でした。2回目の提示額は,休業損害がプラスされ,522万円強になりました。3回目の提示額は,慰謝料がプラスされ,560万円強となりました。

しかし,本件については,被害者の症状から,かなり症状の重い高次脳機能障害が疑われたため,自賠責等級認定を争うことにしました。

そこで,医療機関や介護施設の書類を集め,自賠責に異議申立をしました。

その結果,等級認定が変わり,保険会社の提示額も,5260万円強にアップしました。当職としては,この金額でも不服があったのですが,依頼者のご希望により,この金額で和解をすることとなりました。

死亡事故重度後遺症が残る事故ほど賠償額が高額となるため,保険会社の提示額と弁護士介入後の賠償額とで開きが大きくなります。また,保険会社も,支払金額が大きくなるほど,払い渋るようになります。したがいまして,特に,死亡事故や重度後遺障害事故においては,必ず弁護士にご相談いただく必要があると言っても過言ではないかもしれません。

保険会社の提示額(交通事故)

2016年08月22日

交通事故被害に遭った場合,弁護士相談しようとする契機の多くは,相手方保険会社からの示談金提示額が妥当かどうかだと思います。

結論から申し上げれば,多くの場合,保険会社の提示額は妥当ではありません。

保険会社は自社の支払額を抑えようとします。ひどい保険会社は自賠責基準での額のみを提示します。任意保険自賠責保険の上積み保険であるため,自賠責基準で示談できれば自社での支払いをしなくて済ませられるからです。

保険会社との交渉を弁護士に依頼した場合,弁護士は裁判で認められるであろう額を基準としますので,ほとんどの場合,保険会社からの提示額はアップします。

しかし,場合によっては,裁判で認められるであろう額が保険会社からの提示額より下がってしまうことがあります。この原因は複数あります。

一つ目は,以前のブログでも書きましたが,接骨院の扱いです。自賠責では接骨院での診療費治療費として認めてくれる扱いですが,裁判では,医師の指示がある場合や,症状改善に効果的であったことが立証できた場合でなければ認められません。

二つ目は,過失相殺です。自賠責の場合,こちらの過失が7割未満であれば,自賠責の限度額までは過失相殺されずに支払われますが,裁判の場合には過失相殺されてしまいます。

その他,症状固定時期や労働能力喪失率など,示談交渉の段階では争われなかった点が裁判では争われることも多く,裁判にはリスクがあることも確かです。

示談で終わらせるか裁判に持ち込むかは,以上のような点が複雑に絡み合ってきますので,できれば,まずは弁護士に相談されることをお勧めいたします。

症状固定と後遺障害

2016年06月14日

交通事故により傷害を負い,治療を続けていると,加害者の保険会社から治療費の打ち切りを宣告されることがあります。保険会社の言い分は,「症状固定」しているので治療費は払えないというものです。

「症状固定」とは,一定期間の適切な治療を加えたにもかかわらず,これ以上治療の改善効果が期待できない時期または状態のことを指します。保険会社の言い分を語弊を恐れずに平たく言うと,これ以上治療を続けても症状は良くならないので無駄な治療費は払えないということです。

症状固定に至っているか否かは,治療の改善効果が期待できるか否かにかかります。そして,改善効果が期待できるかは,実際に患者を診察している医師が一番知っています。保険会社から治療費の打ち切りを提案されたときには,必ず主治医に相談しましょう。

裁判で症状固定の時期が争われることもよくあります。この場合,治療の改善効果があったか否かが重要になりますが,一番の証拠となるのはカルテに記載された検査結果になりますので,通院が長引きそうなときには定期的に医師に検査を求めることも必要となるでしょう。

なお,症状固定となっても残ってしまった症状を後遺障害と言います。医師から症状固定を告げられたとき,それでも症状が残っていれば医師に後遺障害診断書を作成してもらいます。後遺障害診断書は,後遺障害の等級を認定してもらう際に一番重要な資料となりますので,きちんと医師に検査をしてもらいましょう。特に,むちうちなどの神経症状が残っている場合で画像上の異常がない場合などは,反射テストやスパーリングテストなどの神経学的検査を行ってもらいましょう。できれば,通院中から定期的に行ってカルテに記載してもらうのが理想的です。

交通事故と慢性痛

2016年04月21日

先日の報道によりますと,「外傷などが治った後もわずかな刺激で痛みを感じる「慢性痛」は、脳の神経回路が刺激に過剰反応して起きることを、自然科学研究機構生理学研究所などの共同研究グループがマウスを使った実験で明らかにした」そうです。

交通事故で外傷を負った場合,数か月経っても痛みが続くことがあります。今まで保険会社裁判所は,痛みが続くのは精神的な影響が大きいとして後遺症を認めなかったり減額をしたりしてきましたが,上記の研究が進めば被害者の助けとなるかもしれません。

死亡交通事故と年金の逸失利益

2016年04月12日

交通事故死亡した場合,事故がなければ得ていたはずの収入を損害賠償として請求できます。これを逸失利益と言います。

ここで,年金も収入に入るかが問題となりますが,最高裁は,老齢年金,障害年金及び退職年金について認め,遺族年金及び恩給については否定しています。

例えば,65歳以上の方が働きながら老齢年金も受けていた場合,給与収入に加えて年金収入も逸失利益の対象となります。主婦の方も,年金収入分に加えて家事労働分が収入となります。

では,まだ年金を受けていない65歳以前に事故で死亡した方は,将来受け取れるはずであった年金を逸失利益とすることができないのでしょうか。

確かに,まだ年金を受けていないことを理由として否定した裁判例もありますが,一般的には,受給資格を既に満たしていて65歳に近いときに交通事故で死亡した場合には,認められることが多いと思います。

ただし,保険会社との任意の交渉で認めさせるのは難しいと思いますので,詳しくは弁護士にご相談下さい。

交通事故の治療と整骨院・接骨院

2015年07月23日

交通事故に遭い,治療が必要な場合,整骨院接骨院に通院される方もおられると思いますが,注意が必要です。

というのも,保険会社からの提示額が納得できずに裁判となった場合,整骨院・接骨院での治療費が認められない場合があるからです。

整骨院・接骨院の治療費には健康保険が使えますし,自賠責の基準でも,必要かつ妥当な実費は保険金が出ます。

ところが,裁判での基準では,医師の指示がある場合や,症状改善に効果的であったことが立証できた場合でなければ認められません。 特に,医師の指示がない場合,症状改善に効果的であったことが立証できたとしても,全額が認められるとは限りません。

したがいまして,整骨院・接骨院で治療を受けることを希望される場合には,必ず,医師にご相談の上,医師からの指示を書面でもらってください。

交通事故と刑事裁判への被害者参加

2015年03月09日

死亡または傷害を負った交通事故に遭われたとき,加害者がその事故によって起訴されている場合には,加害者の刑事裁判に被害者として参加することができます(被害者参加)。

刑事裁判に参加すると,被害についての心情や意見を陳述したり,さらには加害者の処罰について意見を述べたり,加害者に直接質問することができます。

特に,死亡事故や,重度の後遺症が残るような重大事故においては,ご家族も加害者に納得できないことが多いと思われますが,このような重大事故により被害者本人が参加できない場合には,ご家族(被害者の配偶者,直系親族及び兄弟姉妹)が刑事裁判に参加し,加害者に直接質問をしたり,加害者の処罰について裁判所に意見を述べることができます。

加害者に面と向かって質問をしづらい場合には,加害者との間についたてを置いてもらう場合もあります。

刑事裁判への参加というと,敷居が高いと思う方が多いと思いますが,参加を弁護士に委託することができますので,その場合には,加害者への質問や処罰についての意見陳述等を弁護士が行うことも可能ですし,ご自身で述べたい部分だけをご自身で行うことも可能です。

裁判官が言い渡す刑は検察官の求刑の8割が相場と言われていますが,当事務所の弁護士が以前取り扱った事案では,被害者参加を行った結果,加害者に検察官の求刑どおりの刑が言い渡されました。

交通事故の加害者に対する損害賠償請求を当事務所にご依頼いただいた場合には,被害者参加の委託も承ることが可能ですので,ご遠慮なくご相談下さい。弁護士費用はこちらのページをご覧下さい。

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