Archive for the ‘ブログ’ Category

広告系事務所の懲戒

2017年10月12日

広く報道されているとおり,東京の有名広告系事務所が業務停止の懲戒処分を受けました。事件を依頼していた方々は,大混乱に陥っていると思います。以前からこのブログでも注意喚起をしておりましたが,恐れていたとおり,危惧が現実化しました。日本人は,規模の大きさや広告に非常に弱いですが,今回の件は良い実例だと思います。どの業界にも言えることですが,規模の大きさや広告は品質には結びつかないということを認識しておかなければ,自分に跳ね返ってきてしまいますので,あらためてご注意ください。

親権についての異例の判決の続報2

2017年07月14日

以前のブログで,親権について異例の判決が出されたことをお知らせしておりましたが,この判断は高裁で覆され,今般,最高裁でも高裁の判断が維持されました。

高裁では,「面会交流の意向だけで親権者を定めることはふさわしくない。別居前から主に母が長女を監護しており,長女の利益を最優先すれば親権者は母が相当だ」と判断されておりましたが,最高裁もこの考え方に異議を述べなかったことになり,非常に順当な判断だと思います。

子どもの親権指定を巡っては,一般的に子の意思や監護の継続性など複数の要素が総合的に考慮されますので,親権争いが生じた際には弁護士にご相談ください。

相続廃除の審判を勝ち取りました

2017年07月10日

今般,私が遺言執行者として相続人廃除を申し立てていた事件につき,相続廃除審判を勝ち取りました。

事案としては,被相続人が,自分の子どものうちの1人を相続人から廃除する旨の遺言をしていたもので,私が遺言執行者となっておりました。

相続廃除とは,推定相続人から相続権を剥奪する制度であり,廃除された者は遺留分さえも失います(民法892条)。

Wikipediaに「家庭裁判所はこの申立てに対し慎重に審議する傾向にあり、実際に相続廃除が認められた事例はそれほど多くない。また、相続廃除は遺言で行うことも可能であるが(民法893条)、推定相続人が異議申立てをすると認められない場合がほとんどであり、推定相続人が一切の異議を申し立てないか、重大な犯罪行為を犯して刑務所や少年院などの更正施設に収容されているようなことがなければ、相続権が剥奪されることは稀である。」と記載されているとおり,相続廃除の審判を勝ち取った弁護士はほとんどいないと思われます。

実際,今回の事案は,推定相続人が争った事案であり,更正施設に入っていた方でもなかったので,初めのうちの裁判官の反応は冷たいものでした。第1回目の期日で,裁判官から,「次回に推定相続人本人から意見を聞いて結審します。」と言われたくらいです。

しかし,私がしっかり反論したところ,風向きが変わり,その後も審理が続行しました。結局,申立てから審判まで,審理は1年弱行われました。

裁判所は廃除をなかなか認めませんので,勝訴は難しい事案ですが,自分の弁護士としての活動が実を結ぶと,やはり励みになります。

共働き夫婦の財産分与

2017年06月22日

離婚の際の財産分与は,別居時点においてお互いに有していた財産を2分の1にするのが原則ですが,共働きの夫婦の場合,婚姻開始時に,家計費及び家事を原則として半分ずつ負担することを約束し,その約束に従って生活していたということがあります。

この場合,生活費を平等に負担し,家事も平等に負担していたので,自分の負担額を除いて残った婚姻中の収入はそれぞれ自分のものであると主張したいのが人情だと思います。

しかし,裁判例によりますと,このような約束は,夫婦それぞれの婚姻期間中の各収入及びこれによって形成された財産が各自の特有財産になることを契約した趣旨と認めるに足りるものではないとされております(東京地裁平成16年3月15日判決)。

したがいまして,もし,婚姻前からのそれぞれの財産や婚姻中に取得したそれぞれの財産を,離婚時に財産分与の対象としたくなければ,結婚時にその旨の財産契約を結んでおく必要があるということになります。

現在の日本ではあまり結婚契約は一般ではありませんが,インターネットの普及などにより上記のような知識が一般的になれば,結婚契約も一般的になるのかもしれません。

交通事故の被害者が、受領済みの保険金の返金を求められた事例

2017年06月13日

弁護士の多くは,依頼を受けるときには楽観的な見通しのみを伝えて契約を取りがちですが,私は依頼者をだますような手法をどうしても取れないため,良薬は口に苦しということわざのとおり,初めにリスクも説明いたします。

今回ご紹介する事例は,自転車で走行中に自動車からぶつけられ,6か月間通院していた被害者が,加害者側保険会社からすでに受領していた保険金の返還を求められたというものです。

広島地裁平成29年2月28日判決は,治療が必要だったのは交通事故から2週間程度のみであり,その後は治療の必要がなかったので,3週目以降の治療費通院慰謝料を認めず,むしろ,受領済みの保険金の返還を命じました。

この事例は,被害者が事故の翌日から軟式野球の試合に積極的に打ち込んでいたという特殊なものですが,このように,医師等に申告していた症状と矛盾する行動をとっていたことが後に判明した場合には,受領済みの保険金の返還を求められることもありますので,そのようなリスクを負わないよう,交通事故に遭った場合には早めに弁護士相談されることをお勧めいたします。

特別受益と持戻し免除

2017年06月09日

相続における特別受益については,以前のブログでもお伝えしましたが,大まかに言えば,ある相続人被相続人から贈与を受けていた場合には,相続財産を前渡しされているので,その相続人の相続分を減らすということです。

これには例外がありまして,被相続人が,生前,または遺言により,相続分を減らさなくても良いと意思表示していた場合には,特別受益を受けていても相続分は減らされません(持戻し免除,民法903条3項)。

そして,この意思表示は,黙示のものでも構わないとされているので,被相続人の明示の意思表示がなくとも,被相続人の生前の意思を推量して持戻し免除を認め,相続分を減らさないということがよくあります。

例えば,争いとなっている相続人双方に被相続人が生活の援助などをしていた場合などは,いずれについても持戻しを免除していたとされることがあります。

被相続人から生前に贈与や援助を受け,相手方から特別受益を主張されたとしても,黙示の持戻し免除の意思表示があったと主張することが可能な場合がありますので,相続人間で争いがある事例はなるべく早く弁護士にご相談下さい。

財産分与について

2017年06月06日

離婚の際に相手方に請求できる金銭として,財産分与があります。財産分与には,扶養的な意味合いがある場合もありますが,多くは,婚姻中に形成した夫婦共有財産の清算としての意味合いです。

財産分与の計算方法は,原則として,別居時に存在していた夫婦双方の財産を足して2分の1とします。

多くの弁護士は単純にこれだけで計算してしまいますが,実は,事情によっては,別居時にはすでに存在していなかった財産を存在していたものとして計算する場合もあります。

東京地裁平成17年11月8日判決は,別居時にはすでに使ってしまって存在していなかった合計600万円につき,別居時に残っていたものとみなしてこの2分の1である300万円の財産分与の支払いを命じました。

具体的には,サラ金の借金の返済のために夫婦の共有財産である300万円がすでになくなっていましたが,借金は婚姻前からの個人の趣味のために生じたものであるから,この支出によって夫婦共有財産が300万円分なくなったものではなく,別居時にはなおその金額が残っていたものとしました。

また,自動車を購入するために個人財産から300万円を支出しているが,この購入代金は本来共有財産から支出されるべきものであり,共有財産としてこの代金相当額が残っているものと考えるのが相当としました。

財産分与は,実は奥が深いため,このブログでも色々と裁判例を紹介していこうと思います。

 

改正民法の成立

2017年05月26日

報道によれば,本日,ついに改正民法が成立したようです。3年程度の周知期間を経て施行されるとのことなので,施行は3年後くらいになりそうですが,かなり大きな改正になりますので,注意が必要です。

法定相続情報証明制度の概要

2017年04月24日

以前のブログにも書きましたが,いよいよ本年5月29日から法定相続情報証明制度の運用がスタートするようです。

法務省のリンクはこちらです。

詳しくは法務省の上記リンクのとおりですが,概要を説明いたしますと,相続に伴って銀行預金口座の名義を変更したり解約したりする場合,お亡くなりになった方が生まれたときからの戸籍謄本や相続人の戸籍謄本の提出が必要だったところ,これらの書類をあらかじめ登記所に提出して認証を受ければ,登記所が発行する法定相続情報一覧図を銀行の手続で利用でき,分厚い戸籍謄本を提出する必要がなくなるというものです。

どちらにしても,一度は戸籍謄本等を全て取り寄せて登記所に提出する必要がありますので,不動産の相続登記を行った後で預金口座の名義変更や解約を行うような場合にしか利用場面が思いつきません。

不動産の相続登記と銀行預金の名義変更または解約を行う必要がある場合には,5月29日以降は,先に相続登記を行った方が提出書類が減って多少は楽になります。

法定相続人の範囲,順位と法定相続分の計算

2017年04月12日

基本的なことかもしれませんが,法定相続人範囲順位法定相続分計算で検索される方もいらっしゃいますので,再確認したいと思います。

相続人の範囲と順位

1.亡くなられた方(被相続人と言います。)がお亡くなりになった時点で,被相続人のお子様がご存命の場合,被相続人の配偶者(夫または妻)とお様が相続人となります。お子様はすでにお亡くなりになっているが,その方の子,つまり孫がご存命の場合,お子様の代わりに孫が相続人となります(代襲相続)。

2.被相続人がお亡くなりになった時点で,被相続人の直系卑属(子,孫,ひ孫)が初めからいないか,すでに全員がお亡くなりになっている場合,被相続人の直系尊属(親,祖父母,曾祖父母)がご存命の場合には,被相続人の配偶者直系尊属が相続人となります。なお,被相続人の親がご存命であれば,祖父母は相続人となれません。

3.被相続人がお亡くなりになった時点で,被相続人の直系卑属(子,孫,ひ孫)が初めからいないかすでに全員がお亡くなりになっており,かつ,被相続人の直系尊属(親,祖父母,曾祖父母)も全員がお亡くなりになっている場合には,被相続人の配偶者兄弟姉妹が相続人となります。

 法定相続分の計算

法定相続分の計算については,配偶者以外の相続人が誰かによって異なります。

1.配偶者と直系卑属(子,孫,ひ孫)が相続人の場合には,配偶者の法定相続分は2分の1,直系卑属の法定相続分は直系卑属全員合せて2分の1です(民法900条1項)。

2.配偶者と直系尊属(親,祖父母,曾祖父母)が相続人の場合には,配偶者の法定相続分は3分の2,直系尊属の法定相続分は直系尊属全員合せて3分の1です(民法900条2項)。

3.配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合には,配偶者の法定相続分は4分の3,兄弟姉妹の法定相続分は兄弟姉妹全員合せて4分の1です(民法900条3項)。

 

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